「ある全国行脚の托鉢僧」

托鉢僧のはいていたサンダル
昨日の日曜日、恒例として参禅会に行った。
いつもと違って、僧侶の方がひとり参加しておられる。
ちょっと緊張したが、副住職のお友達のようである。
座禅が終わった後、紹介してもらった。
Tさんといい、63才で全国を行脚しておられ、富山、岐阜そして敦賀と
まわられて、今、友を訪ねて舞鶴に来られたそうである。
1年のうち、10ヶ月は旅をしておられ、夏は北海道に向けて冬は九州
に向けて行脚していたが、今年は逆に今から九州に向かうという。
副住職とは、年令はかけ離れているが修行道場に入られたのが同じ
頃であったそうである。
彼は、現在いわゆる「雲水」というわけで、修養や教化のために処々を
遍歴することで仏道修行のために旅しておられる。
生活は、「行乞」すなわち托鉢という形でお布施というか、物乞いのみ
で立てているそうである。
1日、5~6時間、15キロくらいは歩かれている。
泊まるところは、安宿やユースホステルだそうで、食事は、1日コンビニ
弁当1個くらいの量で、いたって小食らしい。
しかも、肉は食べない。
肉は、"血のにおい”がするので食べれないという。
「小欲知足」ということはよく言うが、簡単に言うと「食べること」に尽きる
といわれる。
食べるものを少なくすると、健康によいし、歩きがスムーズになるという。
興味津々となり質問させていただいた。
「お寺の跡継ぎでもないのに、なぜ出家されたんですか?」
「一級建築技師としてバンバンに働いていたんですが、あるとき急に、
娑婆に愛想が尽きて出家という形をとったんです。
今はひとり身で、保険も年金もなくサバサバしたもんです。
病気になれば、お医者さんに見てもらうこともなく死ぬだけです」
「托鉢中に、話しかけられるということはありませんか?」
「田舎ではあまりありませんが、都会ではよく声をかけられ相談を受けます」
「なぜ、全国行脚してられるんですか?」
「ひと言で言えば、”悟りを得るため”でしょうか。修行中ということです」
「ひとりで寂しくありませんか?」
「全然、寂しくなんかありません。毎日が充実しております」
世の中には、えらいひと・・・変わったひとがいるもんです・・・。
うらやましいというか、感心するだけというか、とてもまねできません。
苦しいこともあるけれど、楽しいこともあるので「娑婆」からはなかなか
抜け出れません。
ひとつだけ”まね”しました。
”らぽーる”の靴屋で、彼と同じサンダルを買いました。
とても歩くのに最適なサンダルで、年中同じサンダルを履いているそう
です。
まあ、まねするのは凡人には、サンダルくらいですかね・・・。


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