
この日曜日は、数人で伊吹山・北尾根の山歩きの予定だった。
隊長が急に都合が悪くなり、計画が頓挫してしまった。
急遽、休むつもりをしていた週課となっている座禅会に出席した。
早朝6時からの、30分、30分の合計1時間の座禅である。
今日の座禅中は、結構騒がしかった。
お参りの檀家の方が本堂近くを歩かれるパタパタという足音が聞こえた。
さらに、外から進入したトンボや甲虫らしきやからが天上にぶつかる音
がする。
これらの雑音に対しては、聞くともなく聞いて、それらにとらわれない。
そして、さらにはその音そのものになりきることが大切だと教わっている。
そういっても、なかなか凡夫ゆえ、うまくゆくはずはない。
文字通り、「そうは問屋が卸さない」というやつである。
そのうちに、左の耳元あたりで蚊の羽音がブーンと聞こえる。
「やばい!」必死で無視して"座禅三昧”にはいろうとする。
顔のまわりを散々飛び回って、ついに右の頬に止まったようだ。
しばらく静寂が続く。
やがて飛び立ち、ブーンという羽音をひびかせながら、数回僕の顔の周り
をまわって飛び去る。
その間5分くらいか、じっと静止しているのがこんなにつらいとは・・・。
ようやく座禅会も終わり、帰路に着く。
空はどんよりとした雲におおわれている。
天気予報では、段々に良くなるとか。
しばらく山に行っていないし、ぽっかりとあいた日曜日。
ままよと「ひとり登山」を実行する。
山は近隣で、自宅から車で30分あまりの綾部市と舞鶴市の境にある。
弥仙山(みせんさん)といい、この近辺では3本の指に入る名峰である。
(後のふたつは、青葉山と由良ヶ岳である)
鋭い三角峰は「丹波の槍ヶ岳」とか「丹波富士」とも呼ばれるという。
くねくねと曲がった狭い峠道を抜けて登山口に着く。
駐車場には車が1台だけポツンと止まっている。
この間買ったばかりの新品の登山靴が心地よく足に入る。
ここは昔、大本教の修行場でもあったので神社が4つ位ある。
だから鳥居がチョコチョコ見られるのである。
赤い小さな鳥居を右手に小川の上にかかる小さな橋を渉って登り始める。
この山は2~3回は登ったことがあるが、もう大分前の話である。
急坂の深い樹林の中、ジグザグに登り、続いて苔むした古い石段を140
段ばかりハアハアいいながら登る。
結構息切れがする。
その後しばらくして、山頂の金峰神社に着く。
ここまで2.1キロの行程である。
新しく整備がしてあって、案内は行き届いている。
霧雨というのだろうか、あたりは一面の霧に包まれ湿度はきっと100%
近いのであろう。
遠くに野鳥の鳴き声だけが響く。
ここでお昼ご飯にする。
コンビニのオカカと明太子のおむすびがうまーい!
今回から、リュックをおろさずに水が飲めるように、トライアスロン用のペット
ボトルよりチューブが付いていて、それをチュウチュウ吸うというスマチュー
ブなるものを購入しリュックに取り付けた。
その試運転をしたわけであるが、まあまあ便利である。
しかし、マウスピースの噛んでできる割れ目より水を吸うのに、結構力が
要るのが難点である。
それと、携帯電話とデジカメの袋をリュックの背負いベルトにクリップで
取り付け、取出しを容易になるようにした。
これは結構便利である。
帰路は、尾根を回りこむようにして登山口に出る「改心の道」を選ぶ。
「改心の道」とは、意味深であるがいわれは知らない。
視界の閉ざされた、深い自然林の中をひたすら歩く。
全長8キロ弱もあったろうか。
延々と続く狭い登山路に少々うんざりである。
ほとんど誰にも会わない。
道端を良く見ると、イカリソウやカタクリらしき葉っぱがそこそこ見つかる。
春先には可憐な花が眼を楽しませてくれるだろう。
やっとのことで林道に出る。
2時間はゆうにかかったようである。
林道もかなり長かったがようやく登山口にたどり着く。
「ひとり登山」は、ビビリのかずぼうには、熊に出くわさへんか?、また
追いはぎに襲われへんか?(江戸時代じゃあるまいし・・・)不安であった
が、それがまたスリリングで、Mではないが楽しめたのである。
実際の話、山では携帯もほとんど通じない。
万が一ではあるが、心筋梗塞や脳溢血の発作に襲われると死に至る危
険性は十分あるのである。
そのときは、そのとき・・・覚悟を決めなくてはならない。
霧の立ち込めた深い樹林の中を、誰にも会わずにひとり歩くというのは、
もちろん、「非日常」であり、なかなか下界では味わえない素敵な体験で
あった。
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