
蝋梅
最近、良寛さんにぞっこんである。
良寛関係の本をたくさん読み漁っている。
魅力的な人で、和歌、漢詩、書(墨蹟)は多数残っている。
子供らとマリつきや、おはじきで遊ぶ姿が有名だが、10年も修行した立派な
禅僧でもある。
しかし、寺を持たずに、ひとり托鉢だけで暮らし、庵に住む。
字が上手で漢詩、和歌を書くのは、知れ渡っていたようで、人に請われると、
気が向けばよく書いてあげていたようだ。
70歳になってから、30歳くらいのバツイチの尼さん貞心尼といい仲になると
いう、うらやましいおまけまでついている。
どちらかというと、寡黙で、ぼーうっとしていたのだが、彼がいるだけで周りを
ほのぼのとさせるオーラが漂うんだ!と評判でもあった。
とにかくおだやかで、”いいひと”なのである。
だから、「戒語」も乞われるままに書かれたようである。
こんな「戒語」が残っている。
ことばのおおき はやこと かしましくものいふ
まあ、おしゃべりの人はヒトは悪くないのだが、軽薄というか、
卑しいというか、ものごとを熟考しないヒトが多いのである。
良寛さんは、そういうことをひどく嫌ったようである。
「口数が少ない ゆっくりいう 静かにものをいう」のは、彼の
特徴でもあったのだが。
よく心得ぬことを人に教ふる
推し量りの事を真実になしていふ
物知り顔にいふ
知らぬ道の事をしったげにいふ
世の中、一億総評論家の時代だから、たくさん居らっしゃるのだ。
かずぼうにしても耳が痛い・・・。
悪しきと知りながらいひ通す
あひだのきれぬ様に物いふ
ひとのことわりを聞き取らずしておのがことをいひとおす
いきもつきあはせず物いふ
おしのつよき
テレビで、多人数で、夜中じゅう討論しているやかましい番組が
昔あったが、あれは、そのままこの通りですな。
他にもあったがすっ飛ばして・・・
良寛さんがあるとき、親戚から、「うちのどら息子」に説教してくれ!と頼ま
れる。
良寛さんは、部屋で、その息子とふたりきり。
結局、顔を時々眺めるだけで、良寛さんは一言も発せず。
そして、すごすごと帰る。
帰り際に、「どら息子」を呼んで、良寛さんのぞうりのヒモを結んでくれるよう
に頼む。
「どら息子」が、かがんで良寛さんのぞうりのヒモを結んでいると、頭にひと
しずくの涙が落ちる。
それで、いっぺんに「どら息子」は改心したという逸話が残っている。
良寛さんらしい逸話である。
思うに、良寛さんにしても、人に説教する立場ではないようなのである。
庄屋の家に生まれ、長男で名主の見習いまでしておきながら、18歳になっ
てからの突然の出家である。
跡取り息子が出家していなくなるというので両親はどれだけ悲しんだことで
あろう。
出家の原因はよくわからないが、よっぽどのことがあったと思われるので
ある。
ミステリーの多い良寛さん、当分の間、眼が離せずぞっこんのかずぼうです。
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