「大山登山」

昨晩より階段の上り下りが少々つらい。
スキーを調子に乗って、バンバン滑った後以来の経験である。
普段の運動不足の「たたり」である。
実は、昨日の日曜日に、中国地方最高峰”大山”(1709m)に登ったの
だ。
大山は、NHKで実施された「日本名峰ランキング」で、富士山、槍ヶ岳に
次ぐベスト3に選ばれた山である。
隠岐国立公園に指定されていて、古来「大いなる神の在ますやま」として
あがめられ、鎌倉時代から室町時代にかけては、3000人の僧兵を抱えた
とされる「大山寺」を抱えると、信仰の舞台として崇拝される。
「だいせん」と、「山」を「セン」と呼ぶのは、ほとんど鳥取県付近だけであり
仏教伝来と関係があるとかいわれ神秘的である。
天然記念物「大山キャラボク」や西日本最大のブナ林で有名だ。
前日は、午前中お仕事、昼から大阪出張の日帰りで、翌日の早朝4時ごろ
起きて5時45分出発という強行軍である。
高速を使うと、自宅から登山口まで3時間余りで到着する。
週間の天気予報では、”曇り時々晴れ”であった。
その後下り坂の様子は気がかりだった。
結局は、小雨混じりの出発で、現地は”曇り時々雨”のありさま。
ゆっくりして、登り3時間、下り2時間の予定である。(夏山登山道)
さすが有名な山、登り道の階段はよく整備されている。
登山者も多い。
老人から幼稚園、小学生、犬のクロラブまで登っている。
整備されている登山道なのだが、これが意外と登りにくい。
普通の山道だと、自分の歩幅でペースは自分の思いのままに登れる。
これが、階段をつけられると、「ここはこのくらいの歩幅で、この道に沿って
ここは足を大きくあげて登ってくださいね!」調に、命令される。
するといっぺんに、ペースを崩されるのである。
だから登りやすそうで、結構つらい。
紅葉のほうはいまいちで、それに上のほうになると暴風のために紅葉が飛
ばされて落ちてしまっているところも多いそうである。
曇り空で、雨の時折降るというか、風に飛ばされて木々にたまった水が降り
注ぐ中、カッパで完全武装の僕たちは、汗びっしょりである。
めがねが曇って視界不良、息はゼエーゼエー、足元濡れ濡れ、ああ無情。。
さらに、8合目から上は、木道の階段。
本来の道の1mくらいかの上に、同じく1mくらいの幅の木で組まれた道が造
ってある。
片方には、鉄柱が点々と立ててありロープが渡してある。
それが、北西の風なのかまともに吹き付けるみぞれ混じりの暴風雨にさらされ
ているのである。
霧で視界不良、さぶいよう、お母さん!!!のなか、風は容赦なしにたたき
つけてくる。
その中を黙々と数百メートルくらい、ただひたすらに歩く。
ジャンプすればたちまち強風に飛ばされてがけ下にまっさかさまのていである。
何でこんなひどい目に遭いながら山に登るのだろう???
何とか頂上近くの山小屋に着く。
暖かい・・・。
早速裸になって下着を着替え、一息つく。
そして、仲間に用意してもらった昼飯にありつく。
自宅で取れた無農薬の米で作った海苔で包んだ握り飯、もうひとつは玄米握り、
みかんにビーフジャーキー、それにガスコンロで熱々の手作りの”豚汁”、これが
冷え切った体に最高のご馳走だった。
それに缶ビールで乾杯!!
極楽、極楽・・・。
山に登る理由は、考えると結構むつかしいというか、判然としない。
健康のためとか自然のすばらしさを観るためとか、達成感、肉体疲労の快感
とか理由付けをしてもすっきりしないのである。
「そこに山があるから・・・」でごまかすしかないのかもしれない。
しかし、この雑然とした街中に住んでいると、手のつけられていない純然たる
自然は山々の中にしか残っていないのかもしれないと思うのである。
それに、ドキドキの「非日常」や、やったぜベイビーの「達成感」は、何物にも
変えがたい。
かずぼうは、一生、登山翌日の「階段の苦悩」に顔をゆがめながら、性懲りも
なく、「明日の山登り」を夢見ることだろう。
まあ、”幸せなやつ”ってことだろう・・と思う。









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