「イカの哲学」

「イカの哲学」という新書は、本屋で何気なく手に取ったことがある。
”イカの哲学”というキャッチコピーに惹かれたからであった。
むつかしそうで、そのまま元に返した。
数週間後のこと、友人Kさんからメールがあった。
中沢新一・波多野一郎著「イカの哲学」という本おもしろいから読んで
みてください。
この波多野一郎さんの息子さんが僕の近所に住んでいて知り合いな
んです。
そりゃ、おもしろそうということで、早速本屋へ走り、その本を買った。
その内容はこうである。
特攻隊の生き残りで、戦後アメリカの大学で哲学を学んだ波多野一郎
が、1965年に「イカの哲学」を出版した。
この40年ほど前に出版されたこの本を若い頃読んだという多摩美大・
芸術人類学研究所所長・教授の中沢新一が感動し、新しい平和学とし
て提唱して、新たに「イカの哲学」を共著で最近本を書いた。
波多野一郎は、アメリカの大学に留学していたとき、夏休みのアルバ
イトで、漁港でイカ漁の手伝いをする。
そのとき、魚網に捕らえられた瀕死の多くのイカに思いをはせるときに
自分が特攻隊で飛行機に乗り、まさに死なんとしていたときの状況を思
い出す。
「自分たちはまさにこのイカたちと同じ状況にあったのだ!」
”個よりも種を重視する思考”すなわち、個人よりも国家を重視する思考”
イカの個のことより、人間の食料としてのイカのことを・・・。
(この辺は僕の解釈の間違いかもしれない)
アメリカ文明は、人間中心主義すなわちヒューマニズムを重視する。
人間こそが特権的存在だという。
だから、食料の確保のために近代技術でもって、大量にイカを捕獲する。
波多野一郎は、このヒューマニズムこそが、現代戦争の根本的原因だと
直観する。
平和の鍵は、イカをモノとして扱うのでなしに、お互いの実存を認め合う
ことが必要という。
相異なった文化を持ち、相異なった社会に住む人々がお互いの実存に
触れ合うということが”世界平和の鍵”であるというのである。
国際的な平和構築や地球環境の悪化といった人間が直面している問題
の根源に心ある存在を単なるモノとして扱う文明に問題があることを見抜い
たのが波多野一郎だと、中沢新一は言うのである。
”かずぼう”も、戦争の原因は、人間中心主義の一神教にあると思う。
原始社会に発するアミニズムは、生物・無機物の森羅万象すべてのものに
霊魂は存在すると説いた。
仏教も同じようなことを言っている。
その辺に”世界平和の鍵”があると思うのだが・・・。










Recent Comments